死んでしまいそうだった子どもを助けた

葛城一言主神社の乳銀杏

かつらぎひとことぬしじんじゃのちちいちょう

  • 状態:生存

  • 樹種:イチョウ

  • 樹齢:推定樹齢1200年以上

  • 樹高:不明

  • 幹周り:不明

  • 保護・指定:奈良県指定保護樹木

HISTORY

謂れ(いわれ)

この木に祈願すると、健康な子どもを授かり、お乳がよく出るようになると信じられています。
また、こんな言い伝えも残っています。
「昔、水おけをもって、神社にやってくる女の子がおりました。彼女は毎日地面に水をかけていましたが、そこには何もありません。神主さんは不思議に思っていましたが、3年目になると地面から小さな芽がでて、あっという間にかわいらしい葉をつけたイチョウの木に成長しました。
月日がたち、女の子は葛城山に修行に来ていた若狭の僧侶と出会います。顔を合わすうちに、娘と僧侶はお互いに惹かれあっていきました。しかし、ある日を境に僧侶が姿を見せなくなり、娘は悲しみに暮れます。娘は僧侶を追いかけようとしますが、妊娠していることがわかり、布団に臥せってしまいました。なんとか出産することにした娘でしたが、限界がきていたのか子どもを産み落とすとすぐに亡くなってしまったので、死んだ娘の母が生まれた子どもを育てることになりました。しかし、生まれた子どもは重湯ももらい乳も受け付けず、どんどん衰弱していきます。途方に暮れた娘の母は家を出て、娘が通っていた一言主神社へ向かいました。そして疲れていたのかイチョウのそばに行き、木にもたれて目をつぶりました。すると、木から甘い匂いのする澄んだ水が一筋流れてきたので、母親は抱いていた子どもにその水を近づけると、子どもはその水を飲み、どんどん元気を取り戻していきました。」
こうして、死ぬばかりだった子どもを助けたイチョウの木は、乳銀杏と呼ばれて評判になったと伝えられています。

ACCESS

アクセス

近鉄「御所駅」からバスで6分、宮戸橋から徒歩で30分。