源頼朝が狩りで馬を繋いだ

狩宿の下馬ザクラ

かりやどのげばざくら

  • 状態:生存

  • 樹種:サクラ

  • 樹齢:推定800年以上

  • 樹高:約14m

  • 幹周り:約5m

  • 保護・指定:国指定特別天然記念物

HISTORY

謂れ(いわれ)

国内最古のヤマザクラといわれており、国指定特別天然記念物です。この周辺は源頼朝が催した「富士の巻狩」で、頼朝が馬を降りた場所と伝えられています。
富士の巻狩とは、源頼朝が建久4年(1193)に多くの御家人を集めて富士山の裾野で行った狩りのことです。この巻狩は、単に狩猟を楽しむだけのものではなく、富士の裾野に諸国の御家人が集まり、将軍頼朝の前で勢子が追い立てた獲物を馬に乗って弓で射る武術の訓練を目的とした催しでした。いわゆる、大軍事演習といえるもので、頼朝を中心とした東国武士の力を京都の公家の人たちに認めさせるためだったと考えられています。
そして、このサクラは巻狩時に源頼朝が馬を繋いだともいわれていることから、別名「駒止めの桜」とも呼ばれています。また、頼朝が宿所の前に差した杖が根付いたものだとも伝えられているようです。
明治期には徳川慶喜も訪れ、「あはれその 駒のみならず 見る人の 心をつなぐ 山桜かな(ああ、このサクラは馬だけでなく、人の心も繋ぎとめる山桜なのだなぁ)」と詠んだといわれています。

写真:photop/PIXTA

ACCESS

アクセス

JR見延線「富士宮駅」から富士急静岡バス「狩宿下馬桜入口」下車徒歩7分。