- TOP
- 名木伝承データベース
- 名木データ
- 曽大根のサイカチ
謂れ(いわれ)
奈良・大和高田曽大根の甘田川に架かる橋のたもとにあるサイカチです。道路をはさんで白龍大明神の社があるので「白龍大明神のサイカチ」とも呼ばれています。
近くに、白龍大明神がお祀りされているのはこんな理由です。昔、村人が作物の苗をかついで橋を渡ると小蛇がいたので篭で除けようとした瞬間、大蛇になって襲いかかったので驚いて家に逃げ帰りました。しかし、その夜からその村人は高熱がでてしまいました。またあるときは、青年が川の護岸工事でサイカチの根を切ったところ、数日後に急死してしまいました。他にも、大和高田の民話「さいかち娘」があります。サイカチの蛇に好物の卵と手伝ってもらいたい田畑の場所を書いた紙切れを村人が置くと、若い娘が手伝いにくるようになりました。この娘はいつも顔を手ぬぐいで隠していたので、男達はその顔をみたいと石の卵を娘の籠にいれます。すると、石の卵を飲み込んだ娘は、蛇のような恐ろしい形相で男達を追いかけてきました。男達は命からがら逃げかえりましたが、特に悪さをした男の一人は、一晩中熱にうなされて、翌朝とうとう亡くなってしまったというお話です。
村人たちは、この木を霊木として恐れ、白龍大明神の社以外にも、サイカチの木の根元付近には陶器でできた白蛇の置物とともに小さな祠が祀られています。
アクセス
JR和歌山線・大和新庄駅から徒歩15分。