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2024.01.18

木のコト

曽根の松(兵庫県高砂市)〜菅原道真が太宰府左遷の途中で植えた霊松

銘木総研 編集部
銘木総研 編集部

名木伝承データベース / 基本情報

  • 名称:そねのまつ

  • 樹種:マツ

  • 状態:枯死(初代)・生存(5代目)

  • 樹齢:推定樹齢900年(初代/枯死)

  • 樹高:不明

  • 幹周り:6m

  • 保護・指定:無

  • 所在地:兵庫県高砂市曽根町2286-1

詳しくはこちら

5代目の松は葉も青々と元気

菅原道真お手植え伝承の初代松を保存。現在は5代目。

菅原道真のお手植えといわれている松です。
901(延喜元)年に無実の罪で太宰府に左遷された道真が、その途中で伊保港に船を寄せ、曽根天満宮の西にある日笠山に登って小さな松を植え、「我に罪なくば栄えよ(私が無実の罪であれば、この松も大きく成長せよ)」と祈ったと伝わる霊松です。

霊松への信仰はとても厚く、薩摩藩主島津公は、霊松の枝で天神像を刻み、国元へ持ち帰ってお祀りしたほどでした。また、伊藤東涯が「研松記」を、頼山陽が「霊松詩」を奉納した他、小林一茶やシーボルト、牧野富太郎らも曽根天満宮を訪れています。

一時は幹周6メートルになるまで成長した松でしたが、秀吉播州征伐の兵火以後に衰弱し、1798(寛政10)年に枯死しました。その後、樹下より2代目の松が育ち、明治初期には幹周4メートル、樹高10メートルほどの大きさになりましたが、松喰虫の被害に遭い、1949(昭和24)年に枯死。続いて、3代目、4代目…と新しく育ちましたが同じく枯死し、現在、境内にあるのは5代目の松です。

霊松殿に保存されている初代の松


お手植え伝説のある初代の松は「霊松殿」に保存されており、その枝を使用して作られた10分の1サイズの模型が資料館に保存されています。

初代の松、10分の1サイズの模型

山陽電車曽根駅より徒歩5分。
JR曽根駅より徒歩20分。

本記事は、
~日本の名木と伝承を明日に紡ぐ~
銘木総研の広報誌「木魂ッ子」vol.
21
にも掲載されています!

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銘木総研 編集部
銘木総研 編集部

地域の人々によって大切に守られ語り継がれてきた「名木と伝承」にフォーカス。伝承とともに人々の生き方に寄り添ってきた名木が持つ史実やいわれを調査研究し、伝統文化・歴史の継承、名木の利活用につながるご提案とその実践を行っています。

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