2023.12.14
⑤御神木の生命力「身体健全 病気平癒御守り」
【泉穴師神社・穴師の森プロジェクト】
鎮座から1350年、歴史ある泉穴師神社の境内にあったひときわ大きな御神木が、台風によって根こそぎ倒木しました。この御神木の姿と「穴師の森をさらに後世まで残していきたい」という第四十七代宮司の想いをうけて「穴師の森プロジェクト」が立ち上がりました。
倒木した樹齢600年の御神木と鎮守の森のストーリーを未来へ紡ぐ
穴師の森の御神木、クスノキでつくられた唯一無二の御守り
大きな根っこをあらわにして倒れ、命絶えたかと思われた御神木は、辛うじて大地と繋がっていた部分から命をつなぎ、大きく横たわった幹の側面から空に向かってひこばえを伸ばして、「穴師の森」のシンボルとして力強く生き続けています。
この御神木の姿と、「穴師の森をさらに後世まで残していきたい」という第四十七代宮司の想いをうけて、森の保全のために剪定された御神木の枝や樹皮を活用して「身体健全・病気平癒御守り」が制作されました。
この御守りは、人々の永遠のねがいである「身体健全」の想いを込め、枝や樹皮を材料として抽出された染料で泉大津市の特産品「ウール布」を染色し、さらに御神木の樹皮のかけらが内符として大切に封入された特別なものとなりました。
御神木の生命力を御守りへ込める【材料~染色~ご祈祷】
①材料の選定
穴師の森には、御神木を含めて楠が12本あります。 森にある木は、森全体の保全と台風の被害防止のために定期的に剪定され、お焚き上げやどんど焼きに利用するために保管されていました。今回お守り制作に使用する楠の材は、泉穴師神社の津守宮司により選定されました。
②色素の抽出
選定された特別な楠の樹皮を剥ぎ、細かくカットして十分に洗浄します。
その後、大きな鍋で煮だして色素を抽出。 一度の抽出では薄い黄色ですが、 今回は約1カ月に渡り何度も色素抽出を繰り返して濃い色にしていきます。染液にタンパク質を加えると鮮やかに色が変わるので「豆の汁」などを入れることもありますが、 今回は何も加えずに楠本来の自然な色味に仕上げました。
③ウール布の染色
仕立ては、御守りとしては珍しいウール布。
ウールは泉大津市の特産品で、泉穴師神社には織物の神様である栲幡千々姫命(たくはたちちひめのみこと)がおられます。染色後は、楠ならではの優しい色合いとやわらかい肌触りに仕上がりました。
④刺繍と内符
御守の表面には、クスノキの名前の由来となった「薬」と「クスノキ(=薬の木)」をイメージできる文字が篆書体で刺繍されています。
御守りの中には内符として、楮雁皮の丈夫な和紙に包まれた御神木の樹皮が入っています。その形や大きさはさまざまで、ひとつとして同じものありません。
⑤ご祈祷
完成した御守りは、御神木にちなみ、授与された方の心や体の不調が癒されるようにと神前で丁寧にご祈祷されています。
「この御守りが、お身体の事で悩まれている方の癒しになりますよう」
穴師の森も、自然の神様です。
お社(やしろ)は神様がいらっしゃる場所として参拝される方が拝む対象とされていますが、泉穴師神社にある穴師の森とお社は一体で、お社を取り囲むようにある森が社を守っています。穴師の森は、お社と同様に後世へ残していきたい大切な存在。そして御神木は、穴師の森で倒木した姿のまま、力強く命を繋いでいます。
この御守が、お身体の事で悩まれている方の癒しになり、ご利益が届くことになればと願っています。
⑥【泉大津市市長×泉穴師神社宮司】特別対談 御神木の姿から学ぶこと へ続く
【泉穴師神社・穴師の森プロジェクト】
~倒木した樹齢600年の御神木と、鎮守の森のストーリーを未来へ紡ぐ~
泉穴師神社へのアクセス
【電車・徒歩の場合】
南海本線泉大津駅下車、東へ約1.5km、JR和泉府中駅下車、西へ約1km
【車の場合】
国道26号線、阪和豊中交差点を(堺方面から来た場合)右折、2つ目の信号を左折
最新記事