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2024.02.27

木のコト

日置のハダカガヤ(兵庫県丹波篠山市)~足利尊氏伝承の「殻のない珍しいカヤの木」

銘木総研 編集部
銘木総研 編集部

名木伝承データベース / 基本情報

  • 名称:日置のハダカガヤ

  • 樹種:カヤ

  • 状態:生存

  • 樹齢:不明

  • 樹高:20m

  • 幹周り:4.5m

  • 保護・指定:無

  • 所在地:国指定天然記念物

詳しくはこちら

足利尊氏が武運長久を祈った「世界で1本だけ」の不思議な木。

この変わった呼び名の名木は、国指定の天然記念物で「世界中でこの1本だけしかない」といわれている学術的にも非常に珍しいカヤの木です。

普通のカヤの実は固い殻に覆われていますが、このカヤの木の実は殻が無く「渋皮のみ」なのです。そのため「ハダカガヤ」と名付けられています。

案内板に書かれた伝承を読むと、天皇方に敗れた足利尊氏が、都から九州へ逃げのびる途中この地に立ち寄り、 殻をむいたカヤの実を神前に捧げて武運長久を祈ったところ、その時の実が生長し、このハダカガヤになったと伝えられています。

道沿いの3本カヤのうち真ん中のものが「ハダカガヤ」で、 笹山町時代の看板にはこの種子をまいても、殻のある普通のカヤになってしまうと書かれていたとか。

足利尊氏の母・清子は、上杉家から足利家に嫁ぎましたが、上杉家の名字の由来となった本貫地(※)がこのあたりにあり、それ故、この周辺では尊氏を応援する豪族等も多かったということで、足利尊氏と丹波国は深い関係にあり、尊氏は大きな戦の際、体制立て直しに使っていたようです。

そして、このハダカガヤの実を撒いた後の尊氏は、湊川の戦いで、楠木正成・新田義貞を破り京を制圧、室町幕府の開府までこぎつけます。

この足利尊氏の伝承からこのカヤの木は、一転大勝利のシンボルとなったといいます。

※本貫地=氏族の始祖やその子孫が住み着いた土地や封じられた場所。

名木への道MAP

所在地:兵庫県丹波篠山市日置167
JR宝塚線「篠山口駅」よりバスで35分「曽地口」で下車後、徒歩で約4分
JR宝塚線「篠山口駅」よりタクシーで約20分

本記事は、
~日本の名木と伝承を明日に紡ぐ~
銘木総研の広報誌「木魂ッ子」vol.15

にも掲載されています!

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銘木総研 編集部
銘木総研 編集部

地域の人々によって大切に守られ語り継がれてきた「名木と伝承」にフォーカス。伝承とともに人々の生き方に寄り添ってきた名木が持つ史実やいわれを調査研究し、伝統文化・歴史の継承、名木の利活用につながるご提案とその実践を行っています。

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