2023.11.09
六本柳(兵庫県丹波篠山市)~源頼光が鬼退治成功を願って挿した杖が柳に!?
名木伝承データベース / 基本情報
-
名称:六本柳
-
樹種:ヤナギ
-
状態:生存
-
樹齢:推定100年以上
-
樹高:13m
-
幹周り:3m
-
保護・指定:無
-
所在地:兵庫県丹波篠山市上宿
詳しくはこちら
源頼光が鬼退治の成功を願って挿した杖が6本の柳に成長!?
六本柳は、「源頼光の鬼退治」にまつわる伝承の残る名木だといわれています。平安時代中期に京で姫君を中心に行方不明者が続出するという不可解な事件が多発していました。
時の帝、一条天皇が、これを憂慮し、安倍晴明に占わせたところ「丹波の大江山に住む鬼、酒呑童子の仕業である」という結果が出たのです。
そこで帝は、勇者として名高い源頼光に征伐を命じます。 勅命を受けた源頼光は、頼光四天王である渡辺綱、坂田金時、卜部季武、碓井貞光らと山伏の姿に変装し、丹波へ向かうことになります。
その途中、八幡大菩薩へ必勝祈願をし、「首尾良く鬼退治ができましたら、この金剛杖が芽を出し、六本の柳が育ちますように。」と、この地に手に持っていた柳製の金剛杖を挿しました。 その杖が成長したものが、この六本柳で、このエピソードに由来して名付けられたといわれています。
その後、挿した杖の近くに酒がなみなみと入った瓢箪(ひょうたん)が置いてあることに気づいた頼光は、それを持って大江山に向かいます。 そして、そこで「美酒を持ってきたので、一緒に飲みかわしながら、今夜一晩語り合おうじゃありませんか。」と鬼たちを誘います。
ですが、そのお酒は『神変奇特酒』というもので、実は人間には単なる美酒なのですが、別名『鬼殺し(神便鬼毒酒)』という鬼にとっては毒でした。 酒が回った酒呑童子たちは立ち上がることができず、頼光たちは隙を見て、鬼どもの首をみごとに討ち取りました。
当時の六本柳は枯れてしまっており、現在のものは、かなり後の時代になって植え替えられたものだそうです。 それでもこのような勇壮な伝承を持つ柳の次代の木にも伝承のロマンを感じます。
尚、付近には古くから寺院が多く、六斎念仏、六地蔵、六字の名号(「南無阿弥陀仏」の六字)など、仏教が大切にする六の数に因んで六本の柳が植えられたという説も。密教で護摩に焚く乳木には、乳汁の多い柳や桑が用いられるそうです。
名木への道MAP
所在地: 兵庫県丹波篠山市上宿
JR宝塚線「篠山口駅」よりバスで35分「曽地口」で下車後、徒歩で約4分
JR宝塚線「篠山口駅」よりタクシーで約20分
最新記事