2023.11.17
妖怪木々怪々「カブキレワラシ」~マダの木(菩提樹)に棲む座敷童
妖怪木々怪々
菩提樹の木に棲む、禿(カブ)切りヘアのイタズラ好きな「ざしきわらし」。
「カブキレワラシ」は、いわゆる座敷童(ざしきわらし)の一種で、岩手県上閉伊郡土淵村(現在の遠野市)に伝わる妖怪です。
日本人に親しみ深い座敷童子は、子供の姿をした妖怪で、その名の通り、座敷または蔵に棲む神のひとつと言われ、座敷童は「住人にいたずらを働く」、「姿を見た者には幸運が訪れる」、「棲み着いた家には富をもたらす」、などという伝承がよく知られています。近年では、テレビ番組や雑誌で、座敷童に会える宿や家が取り上げられることも多く、人気のある妖怪ですね。
結ばず肩のあたりで切りそろえた髪型を「切り禿(きりかむろ・きりぶろ)」もしくは「禿切り」と呼ぶそうで、「カブキリ」とは「禿切り」のことだと、『日本妖怪大事典(村上健司編・水木しげる画)』に記載があり、このことから「カブキレワラシ」はこのような髪型をしていると考えられます。
マダ(菩提樹)の木に棲むといわれ、家の座敷に忍び込んでは、娘にいたずらをするという伝承があり、胡桃の木の三俣などで遊んでいる赤い顔の子供の妖怪もこの「カブキレワラシ」といわれることがあるようです。
妖怪と木シリーズ
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