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2023.08.24

特集

妖怪木々怪々「タンコロリン」 ~老いた柿の木が化けた妖怪

銘木総研 編集部
銘木総研 編集部

妖怪木々怪々

イラストレーション:田中香名子

柿の実を収穫せず放置すると妖怪に…実害は無いが変な要求をしてくる!?

 「タンタンコロリン/タンコロリン」は、宮城県仙台市に伝わる、老いた柿の木(実)が化けた妖怪だそうで、本来「タンタンコロリン」と呼ばれるが、水木しげるが「タンコロリン」と紹介したため、そちらの呼び方が広まったとか(水木しげるロードにはちょっと怖いタンコロリン像まである)。


 ひとつの言い伝えでは、夕暮れ時、柿の実がたくさん生ったとある家から、着物の袂に柿の実を大量に入れたタンタンコロリンが現れ、柿の種を撒き散らすためか、実をポトポト落としながら町中を歩き周り、一回りした末、もとの家の前で姿を消したという。


 また、柿の妖怪にまつわる民話として、ある晩、寺の小僧さんの下を男が訪れ、「ワシの糞を鉢で擦って食え」という。無論小僧さんは嫌がるが、男が怒るので仕方なく食べると、甘い柿の味がして美味かった。すると男は山奥に消え去り、翌朝、小僧さんが和尚さんを連れて男が消えた方に行くと、柿の木の下に大量の実が落ちていた。「この実が化けて出ていたに違いない」と和尚さんが柿の実を集めて寺に帰ると、男は二度と現れなかった、というお話もあります。

妖怪と木シリーズ

本記事は、
~日本の名木と伝承を明日に紡ぐ~
銘木総研の広報誌「木魂ッ子」vol.16

にも掲載されています!

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銘木総研 編集部
銘木総研 編集部

地域の人々によって大切に守られ語り継がれてきた「名木と伝承」にフォーカス。伝承とともに人々の生き方に寄り添ってきた名木が持つ史実やいわれを調査研究し、伝統文化・歴史の継承、名木の利活用につながるご提案とその実践を行っています。

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