2023.08.24
【森ヨガ】自然の中で「あるべき姿」に整える 生活ヨガ研究所・珠数孝さん
今回お話を伺った「生活ヨガ研究所」の珠数孝さんは、ヨガの指導者でありながら樹木医の資格を持つというユニークな経歴の方。なぜ樹木医になったのか、珠数さんが実践しているという森「ヨガ」に関係は有るのか。伺ってみた。
目次
会社員がなぜ樹木医に
珠数さんはヨガ指導者になる前、なぜ樹木医になったのですか?
一つは憧れです。当時勤務していた壁面緑化などを扱う会社は、日本一樹木医を多く輩出している会社でした。その時の上司が樹木医で憧れの存在だったんです。植物の事は就業するまで詳しくなかったんです。
ヨガ講師に転身。屋外ヨガの草分に
その会社の売上はすごく良かったんですが、メンタル的にしんどい人が多くなってきて、売り上げと心の健康、自分はどちらに興味があるかと考えたとき、心だと思い、そちらを仕事としてやっていくと決めました。その時、元々両親がヨガ教室をやっていて、自分に近い環境にヨガがあったと気づいたんです。
ヨガを通じて私たちが大切にしているのは心の事や瞑想でヨガとは瞑想そのものとも言えます。『森ヨガ』といって「木のポーズ」などジェスチャー的なことではなく、森の中でどう過ごすか?森の中で自分の心の向け方をどうコントロールするのか?という屋外ヨガを定期的に行っています。中之島公園などで見かける屋外ヨガを最初に始めたのは私たちなんですよ。
樹木医のご経験からお伺いしたいのですが、当社が利活用を手がけている「頼朝杉」は倒木した際、根本から3分の1が空洞でした。杉は虫が好む木なのでしょうか?
いいえ。その空洞は腐朽菌という菌の影響ですね。御神木など観光名所として人気の木は皆さんが見に来られますよね。すると木の周りが踏み固められ「踏圧」されるんです。同様に歩道が整備されたり10m先で土を掘ったりすると根っこが傷つけられ、腐朽菌が入り、本体の空洞化に繋がるのはよくある話です。樹木は根っこが傷付けられるのが一番しんどいんです。特に街路樹も樹木本来の寿命と道路の寿命がマッチせず根っこが痛むケースが多いんです。
樹木医とヨガに共通点は?
ヨガもそうなんですが、「その人なり」、つまり、その人が然るべき状態が楽で一番いい状態です。木も同じで、その木が然るべき一番良い状態にさせて楽な状態を見つけることが大切です。それが何かによって偏ってしまうと不快が生まれ、人の心や体の「クセ」となり、体の痛みや心の苦しさの原因にもなります。ヨガはインド発祥ですが、日本は神道の文化があり自然崇拝や山岳信仰があるので、その身の清め方や体の使い方が混じったヨガになっています。私が教えているヨガは沖正弘さんが広めた「沖ヨガ」といって日本の古くからある体の使い方や精神性も伝えているんです。この方は、戦後一般向けにヨガを普及させるきっかけを作った人です。
瞑想=ヨガということですが、やはり森の中は瞑想しやすい環境ですか?
人は、大きな木、大きな岩、山など大きな存在の近くにいると、安心したり落ち着いたりするんですよ。ヨガの経典に「ヨガは心の揺れ動きを制御することです」と書いてあり揺れ動かないものをお手本にしています。
森の中でもヨガを行う珠数さんが木を見るときどんな視点ですか?
木は葉っぱの付き方で根っこの状態がわかるんです。地上と地下が相対関係になっているので、木の上の方に葉っぱがついていない場合は、根っこの下の部分が異常なんです。また幹から直接葉っぱが出るときも酸欠状態で異常です。枝までエネルギーが届かず、木がすぐにでも蒸散したいので幹から直接葉っぱが出るんです。これも不思議だと思いませんか?幹の部分に、原形質があり枝にも葉っぱにも何でもなれるエネルギーがあるということに魅力も感じます。どんな環境にも適応する能力は面白いですね。
今後の夢はなんですか?
アシュラムという宿坊づくりです。合宿所のように寝泊りができるヨガ道場を作るのが夢です。『ヨガをするといつでも誰とでも無条件に仲良くなれる』ということを今後も広げていきたいです。
生活ヨガ研究所 /珠数孝(じゅず・たかし)さん
【業務内容】
全ての人が「自分らしく」「いきいきと」暮らせる社会、平和で豊かな社会を目指している。
イベントもレッスンも多数開催中。
【住所】〒540-0031 大阪市中央区北浜東1-29北浜ビル2号館7F
【URL】https://seikatuyoga.com/
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