2023.08.25
【畳椅子】宮崎家具

金釘を使わず、京指物の伝統的職人技で作られた洋室にも似合う畳座面の逸品
畳椅子
近代建築の名作「聴竹居」で知られる建築家・藤井厚二氏(1888~1938)のデザインにより作られたオリジナル椅子。京町屋の格子を思わせる直線が凛として美しい。座面が畳で和の雰囲気だが、フランク・ロイド・ライトの家具にも通ずるようなモダンさもあり、どんな部屋にも似合いそう。ベンチタイプや奥行きが少し浅いダイニングセット用もある。16万5000円(税込)より。
原型は建築家・藤井厚二のオリジナルデザイン
宮崎家具店は、京指物の店として、初代宮崎安兵衛氏が御所の南夷川で安政3年(1856年)に創業した老舗家具店。
当初は箱火鉢などを作っていましたが、明治27年、京都博覧会で家具としては初めてとなる美術協会褒賞を受賞。翌年には第4回内国博覧会に出品した香棚を皇后陛下がお買い上げになり、名店としての地位を確立されました。3代目宮崎平七氏は業界初の家具陳列場を開設するなど、伝統技術とともに先進性も併せ持つ家具店です。
さて、今回の主役「畳椅子」は、昭和11年、新本店建設の際、その応接間用に、新本店の設計を監修した武田五一氏と関わりのある建築家・藤井厚二氏のデザインにより作られたオリジナル椅子。2023年で発売87年目になる超ロングセラーの逸品です。
金釘を1本も使わず、京指物の職人技「ほぞ組」「やといざね」で作られ、お着物を召した方が座っても帯が当たらない奥行きと、畳の上でも使える畳擦り仕様。洋室にも似合う、和モダンともいえる直線を生かしたデザインですが、肘おきなどは手触りの良い絶妙な丸みに削られています。一見硬そうな畳の座面は、実は長時間座っても疲れず快適だそうですよ。

宮崎家具
安政三年(1856年)創業の本店は京都の家具屋街・夷川通にあり、基本的にオーダーメイド。系列に木材内装会社を持ち、熟練職人による、大切な和家具・洋家具の修理・修繕も相談できる。
住所:〒604-0805 京都市中京区夷川通堺町西入百足屋町152
TEL:075-231-6337
FAX:075-231-1230
URL:https://www.miyazakikagu.com/
営業時間:10:00 ~ 17:00(事前予約制)
休業日:水・土・日・祝(不定休あり)

宮﨑 真里子
株式会社宮崎代表取締役会長。グループ会社・宮崎木材工業株式会社社長を兼任。家具店の実務はお嬢様の安里さんに任せているとのことだが、しなやかな感性で老舗家具店の伝統を守り続けている。
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