2024.01.15
地域の名木「榎木大明神」をまもり後世へ紡ぐ有志団体「箔美会」
地域に愛される名木をまもり・後世へ紡ぐ有志団体「箔美会」。親の代から受け継がれてきたという箔美会の活動とみなさんの想いを会長 三田さん、世話役 井上さんご夫婦の3人に伺いました。
目次
安堂寺町にお住いの方の有志団体「箔美(はくび)会」の活動とは
榎木大明神は、「箔美会」と呼ばれる安堂寺町にお住いの方の有志団体によって管理、保護・保全がなされています。箔美会は世襲制で、今回お話を伺った会長と世話役の3名の方も親の代から役割を受け継いで榎木大明神をお守りされています。
主な活動は、毎年行われる春の「大祭」と呼ばれる榎木大明神の御祈祷の準備と当日の進行。
大祭は、明治時代から行われており、近辺の住民の方が列をなしてお参りされるそう。他にも、お賽銭の管理や周辺の清掃・お供え物の準備に定期的な剪定の依頼、鳥居の修復など、榎木大明神に関わるすべての管理が箔美会によってなされています。
1987年(昭和62年)に鳥居と囲いを近辺の住民や信者の方の浄財で大修復したり、次の年(1988年)には、枯死寸前となった榎木大明神の治療を樹木医・山野忠彦氏に依頼したりと、箔美会の方と近隣住民の方々の尽力により、現在の青々とした葉が茂る元気な姿が守られています。よく見ると幹の上部がモルタルで補強されているのが見て取れます。また、榎木大明神は背の高い建物に囲まれており風の影響を受けやすいため、大阪市の援助で支柱が設置されています。
信仰の対象となっている榎木大明神「エノキさん」「みいさん」
三田会長 「榎木大明神は、このあたりの住人から『エノキさん』『みいさん』と呼ばれ、親しまれています。エノキさんをこころからお守りすることが大切だと感じています。地域の方々がたくさんお参りしてくださることも嬉しいです」
井上ご夫妻 「家族・家・会社、すべてエノキさんに守っていただいています。いてもらえるだけで心も安らぐし、健康ももらえます。すがすがしいパワーをもらっています。春夏秋冬を木で感じることができるのも嬉しいですね」
取材する中でも道行く人が頻繁にお参りされており、周囲の方々の信仰の篤さが伺えました。また、榎木大明神の囲いには、三田会長お手製の資料が所狭しと並んでいます。内容は、木の言い伝えや祈願ごと、歴史について記された栞や、榎と槐(エンジュ)についての解説、まちの歴史、周辺の観光情報などさまざま。祠の横に設置された栞は自由に持ち帰ることができます。
榎木大明神の周辺の歴史とマップもありました。
他にもたくさんの情報があったのでぜひ実際に足を運んでみてください。
榎木大明神をお参りされる方へのメッセージ
「住宅街に佇む榎木大明神は、まさに都会のオアシスです。
葉をまくらの下に置いておくと疾病の痛みがやわらいだり、お参りされた方が出世をされたり、家内安全、商売繁盛、火災防止など、エノキさんには、霊験あらたかとなる力があります。
エノキさんのパワーをいただきに、どうぞお気軽にお参りなさってください」
ー箔美会のみなさま、貴重なお話を聞かせてくださりありがとうございました!
もっと深堀りコラム→「エンジュ」なのに「エノキ」?榎木大明神への信仰やいわれを深堀り!
「エンジュ」なのに「エノキ」?榎木大明神への信仰やいわれを深堀り!
名木伝承データベース / 基本情報
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名称:榎木大明神
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樹種:エンジュ
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状態:生存
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樹齢:推定600年以上
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樹高:不明
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幹周り:不明
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保護・指定:無
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所在地:大阪府大阪市中央区安堂寺町2-3
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